会社員

今回は、社会人が教員免許を通信教育で取得する方法について紹介したいと思います。

通信教育で教員免許を取得する社会人が多い理由

高校や専門学校や大学を卒業した後に、「やっぱり教員免許が欲しい!」「先生になりたい!」という人も多いのではないでしょうか。教員は学歴は関係無いですし、なにより先生以外で子ども達の成長に深く関わることのできる仕事は他にありません。
大学や専門学校の先生になる場合、教員免許は必要ありません。しかし、小学校・中学校・高等学校の先生になるには、教員免許の取得が法律で義務付けられています。
一度、社会に出た方が働きながら普通の通学制の大学に通って教職課程を受講し、教員免許を取得するのは無理があります。日本の会社員の平均的な休暇日数は105日ですし、また大学の学費も年間で100万円以上掛かります。
そこで、社会人が教員免許を取得する際には、大学の通信教育を使うのが一般的になっています。
通信制大学の学費は、安い大学であれば年間10万円程度ですから、普通の通学制の大学に比べると学費は10分の1程度まで抑えることが可能です。

大学編入時の単位認定について

以前に大学に在籍して、教員免許取得のための単位を履修済みだった場合には、通信制大学でもその単位は認定されるので、在籍期間を大幅に短縮することも可能です。場合によっては、最短で1年未満で教員免許を取得することもできます。自分がどの程度教職に必要な科目の単位を取得済みかは、通信制大学の履修登録時に確認することができますが、入学するまでに「現在取得済みの単位数」と「教員免許を取得するために必要な単位数」は、必ず確認しておきましょう。ちなみに、入学する大学によって認定される単位数は異なるので注意が必要です。

通信制大学で教員免許を取るメリット

通信制大学で教員免許を取得する場合のメリットは学費や単位認定だけではありません。
なんとなく普通の四年制大学に通う方と違って、通信制大学に通う多くの人は、明確な目標を持って入学します。教員免許を取得したい人、大学卒業資格の取得を目指す人、社会福祉士や図書館司書などの資格取得のために入学する人などが在籍しています。その中でも教員免許の人気は高く、通信制大学に通う学生の3割以上が教職課程を受講しています。スクーリングと呼ばれる対面形式の授業では、同じく教員免許取得を目的としている多くの仲間と会えるのも通信制大学の大きなメリットの一つです。

通信教育で教員免許を取得する流れ

入学審査

通信教育で教員免許を取得するには、通信教育のコースがあり、教職課程がある通信制大学へ入学する必要があります。教職課程が無い通信制大学もあるので注意が必要です。
普通、入学時期は春と秋の年2回設けられています。資料請求をして出願書類を揃えます。入学審査がありますが、普通の四年制大学のような筆記試験などは無く、書類審査のみとなります。

テキストを使って在宅で学習

入学金を納付すると、晴れて大学生となります。(学生証も送付されてきますので、学割なども受けることが可能です)
入学すると、大学から履修要綱が届きます。 こちらを元に履修登録をします。履修登録が済むと、大学からテキストが送られてくるので、支給されたテキストを使って在宅で学習します。科目ごとにレポートを提出し、科目修了試験(単位修得のための試験)を受験します。科目修了試験は、各地に設けられた試験会場で受験します。

スクーリング(面接授業)を受講

必修科目にスクーリング(面接授業)があった場合には、これを受講します。スクーリングの最後に科目修了試験があります。

教育実習に参加

教育実習には、まとまった時間が必要です。小学校の場合は4週間以上、中学校の場合は3週間以上、高等学校の場合は2週間以上の実習期間が必須となっています。
休職や長期の休暇が取れない会社員の場合、会社を辞めて実習に通う人も多いのが実情です。

卒業

卒業または修了すると、教員免許を取得が可能です。

教員採用試験と倍率

教員免許を取得しても、必ず先生になれるわけではありません。地方自治体が実施している教員採用試験に合格する必要があります。自治体により倍率は異なりますが、文部科学省発表の平成25(2013)年度のデータによれば、公立中学校の教諭を目指して採用試験を受けたのは、全国で62,998人で、このうち採用されたのは8,383人、採用倍率は7.5倍でした。

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倍率だけをみると採用されるのは、難しいのではないかと思われる方もいるかもしれませんが、実は教員は不足しており、仕事はたくさんあります。
現在は、臨時講師や非常勤講師が増えており、臨時講師と非常勤講師については、常に学校が探している状態です。小学校や中学、高校では大勢の非常勤講師が働いていますので、教員採用試験だけを目指すのではなく非常勤講師も視野に入れて就職活動をすれば、大抵の人は仕事に就くことは可能な状況になっています。
社会人で今後の収入を心配されている方は、臨時職員や非常勤講師も視野に入れて就職活動することをお勧めします。

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