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このページをご覧になっているということは、通信制大学の卒業率が決して高くないことをご存じの方だと思います。

通学するタイプの大学(全日制の大学)で、卒業率が話題になることはあまりありません。むしろ、全日制の大学の場合に話題になるのは、入学試験の難易度や偏差値、入試の倍率だったりしますよね。それに対して、通信制大学では卒業率が大学選びの基準になることが多いです。

通信制大学の卒業率は10%

全日制の大学では卒業率は80%以上が当たり前ですが、通信制大学の卒業率は10%を切っていると言われています。つまり10人に1人程度しか卒業が出来ていない計算になります。

そのため、通信制大学の卒業率を気にする入学希望者が多く、四年間で卒業できるか否かを気にしている方も多いのです。

 

制度上は四年間で卒業は可能

全日制の大学であっても、通信制大学であっても、基本的な制度などはあまり変わりません。学習形態が、通学メインなのか、自宅での独習がメインなのか、の違いだけです。

通信制大学も普通の全日制の大学と同じく、四年が終業年数となっています。ですから、制度上は四年間で通信制大学を卒業することは可能です。

しかし、実際に四年間で卒業できるひとは多くありません。卒業率は大学により異なりますが、10%前後の卒業率という話を聞くと不安になる方も多いかもしれません。

 

通信制大学は社会人が多い

全日制の大学では、学業を専業とする学生が多いです。親の仕送りや奨学金などをもらって学校に通います。それに対して通信教育の場合は、高校卒業後にすぐに入学する方は多くありません。

通信教育で学ぶ人たちは

  • 高校卒業後に仕事をしながら通信教育で学習する人
  • 生涯学習として定年後に学ぶ人
  • 大学を中退した人
  • 一度、大学は卒業したが資格取得のために再度入学した人

などが大多数になります。

ですから、平均の在学年数が四年以上になってしまうのも当たり前かもしれません。

 

モチベーションの維持が最大の課題

全日制の大学生であれば、昼間に授業に出て、昼寝をしていても単位が取れてしまいますが、通信教育では一人で自宅で学習しなければなりません。

全日制の学校に通っていればサークルや同じ授業に通う学生との交流もあるので、授業に行くのもそれほど苦にならないでしょう。授業に行けば友達もいるから、大学に行くという学生も多いのではないでしょうか。実際、全日制の大学では、部活やサークル活動を奨励していて、中退の抑制に繋げようという試みもあります。

それに対して通信教育では、基本的に一人で学習します。小学校・中学や高校の宿題のようなものです。小学生の頃に、夏休みの宿題をぎりぎりになって仕上げた思い出がある方も多いのではないでしょうか。

通信教育の学習内容自体はそれほど高度なものではありません。一般常識があり、高等学校を卒業している人であれば、単位の取得は比較的容易であると思います。

通信制大学への入学が決まると、履修登録をして自分が受けたい科目を選択します。履修登録が完了すると、テキストが郵送で送られてくるので、これを決められた期限までに学習して、レポートを提出します。レポートの作成については、学習サポートを実施している大学もあり、きちんとテキストを読んで作成すれば、合格することは難しくありません。

レポート提出が問題無いと、次は科目修得試験を受けることになりますが、これもきちんとテキストを読んでいれば難しくありません。レポートや試験自体は、高度な知識を求められるものではないので、実は卒業率にはあまり影響がないのです。

では何故卒業率が低いのかというと、学生の学習に対するモチベーションの維持が出来ないためです。全日制の大学であれば共に学ぶ同級生やサークル仲間などがいるかもしれませんが、通信教育では「一人で」「毎日」「四年間」学習し続けなければなりません。

ひとつひとつのレポートや試験が簡単であっても、その学習を四年間も続けていくのは本当に大変です。

 

通信制大学を四年間で卒業するために出来ること

スクーリングを活用して仲間を増やす

四年間モチベーションを維持するのが最大の課題と書きましたが、これを解消するには共に学習する仲間を作るのが一番いいと思います。

もちろん、意思が固く四年間コツコツ頑張れる人はいいのですが、そんな人は多くないでしょう。ですから、大学卒業という同じ目標を持つ仲間を増やすのが一番のモチベーション維持の力になります。

通信制大学では、一人で学習する時間が多く、同じ大学に在籍している学生と出会う機会は多くありません。

しかし、通信制大学にはスクーリングという授業形態があります。スクーリングとは、実際に大学やスクーリング教室に行って授業を受けることです。

スクーリングは全国の大学で実施されているので、このスクーリングで仲の良い友人ができればラッキーです。時々、連絡を取り合うなどして学習意欲を減退させないようにしましょう。苦楽を共にすれば、この時に知り合った友人が一生の友人になるかもしれません。

スクーリングで単位を取得する

「スクーリングを活用して仲間を増やす」と先ほど書きましたが、スクーリングはそもそも通信教育ではなく、大勢で行う面接形式の授業なので単位の取得が比較的容易です。

自分でテキストを読んで学習するのと、実際に教授から教えてもらうのでは、飲み込みのスピードもぜんぜん違います。また、科目修得試験をスクーリング授業の最後に受けるのですが、これもテストに出る問題を教えてくれたりするので、試験に受かるのも簡単です。

スクーリングで単位取得が可能な場合は、スクーリングに切り替えて履修するのも単位取得のために実施できる方法です。

学習サポートを積極的に利用する

通信制大学では、卒業率の向上のため学習サポートに力を入れている学校もあります。

インターネット上で教員に質問ができたり、動画授業を取り入れていたり、大学によっていろいろな学習サポート実施しています。

以前に比べると、インターネットの普及で、通信教育に出来ることの幅は大きく広がっています。利用できるものはトコトン利用しましょう。

卒業率の高い大学を選ぶ

通信制大学を四年間で卒業するためには、どのように学習意欲を維持していくかが大切になりますが、大学卒業資格だけを目標にするのであれば、そもそも卒業率の高い通信制大学に入学することが一番です。

卒業率の低い大学では卒業率は3%〜5%だといわれていますが、一部の大学では50%以上の卒業率を誇っています。大学卒業を第一の目標としているのであれば、卒業率を基準に選択するのがおすすめです。

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