通信制大学を検討している方は、すでに社会人として働いている方も多いと思います。
実際に通信制大学に入学している学生のデータをみると、半数以上の学生が社会人となっています。また、すでに別の大学を卒業していたり、別の大学を中退してから通信制大学に入学する方もいます。
そのように働いている学生が通信制大学を四年間で卒業するのは簡単なことではありません。全国の通信制大学の卒業率を見ると、一番卒業率が高い産業能率大学でも69.6%、続いて東京未来大学が59.3%となっています。3番目が57.1%で大手前大学、4番目が55.5%で東京福祉大学、5番目が日本福祉大学で52.1%となっています。
卒業率を公開している通信制大学は少なく、これ以外の大学の卒業率は公開されていませんが、卒業率が公開されていないことを考えると、卒業率がこれらの大学ほど高くないことは想定できるかと思います。
社会人が仕事と学習を両立するコツ
通信制大学に在籍する学生全体の卒業率が5割~6割程度なので、特にフルタイムで働くサラリーマンにとって、必要な単位を取得して卒業するのは大変なことです。今回は、仕事と両立して通信制大学の卒業を目指す社会人のために、仕事と両立するためのコツを書いていきたいと思います。
仕事の仕方を見直す
現代のサラリーマンで9時~17時働いて、すぐに帰宅できる人はほとんどいないと思います。日本の働くサラリーマンの帰宅時間は20時~21時がもっとも多く約5割を占め、また21時から22時が3割となっていますが、22時に会社から帰宅してから勉強をするのは、相当な気力が必要です。まずは仕事を見直して20時ころまでには帰宅できるようにしましょう。20時に帰宅して1時間で夕食や入浴をすませることができれば就寝まで3時間勉強することが可能です。実際には毎日3時間勉強するのは難しいとは思いますが、平日に就寝までに2時間以上の余裕を持つことができないと、しっかりとした勉強は難しいと思います。
日々の仕事を効率化してできるだけ早い時間に帰宅できるようにしたり、会社の同僚に通信教育を始めたことを話して、協力してもらえるようにするのもいいと思います。
スクーリングで仲間を作る
通信制大学は基本的に一人で自宅で学習することになりますが、実際に大学に行って授業を受けることもあります。このスクーリングでは、同じ通信制大学に通う学生が集まり、机を並べて授業を受けます。その際に、自分と同じ年代の方や、自分と同じように働きながら通信教育を受けている方と仲良くなると、卒業はグッと近づきます。たったひとりで何年も勉強し続けるのはとても大変なことですが、同じように学習している仲間がいれば、気分が落ち込んだ時や仕事が忙しくてなかなか学習の時間が取れないときでも励ましあってモチベーションを維持することができます。
また、スクーリング会場で出会った方と、卒業後も友人関係が続き、一生の友人になったという話も聞きます。「大学は友達作りの場所ではない」という人もいますが、学習を確実に進めていくためにも友達作りは大切かと思います。
毎日続ける
履修が完了すると、まとめて教科書が送られてきます。最初のうちは張り切って勉強を進めていくのですが、しばらくすると、「レポート提出前にまとめてやればいいか」という気持ちになってきます。しかし、この「まとめてやる」というのは危険です。まとめてやろうとするとレポートの完成度が落ちてしまい、レポート提出が期限に間に合ったとしても単位が取りにくくなります。出席を取るような通学制の大学では、レポートの内容が多少悪くても出席点が加点されて合格できるかもしれません。しかし、通信教育の場合は提出するレポートがすべてです。レポートの完成度を高めるためにも毎日コツコツ学習するようにしましょう。
また、通信教育の一番の難点は継続することです。毎日30分でもいいので机に向かい、学習することを習慣付けることが大切です。
社会人が働きながら通信制大学を卒業することは簡単ではありません。しかし、毎年二人に一人は卒業しています。最初のモチベーションだけでは、なかなか継続できません。仕事を効率化して帰宅時間を早め、入学したらできるだけすぐに自宅学習する習慣を身に付けてください。また、スクーリングが無い大学を希望する方も多いですが、人付き合いが苦手でなければスクーリングは単位も取得しやすく、確実に卒業するには効果的です。
いろいろと書いてきましたが、すでに入学しているなら、まずは目の前の学習を進めることです。課題が一つ終われば、一つ卒業に近づきます。大変なことも多いかと思いますが、参考にしていただければ幸いです。