通信制高校から通信制大学

今回は、通信制の高校に通っている方のために、通信制大学への入学で、注意する点などをまとめて紹介したいと思います。

通信制高校から大学への進学率は?

そもそも、通信制校から大学への進学率は全日制の高校に比べて低いと言われていますが、実態はどうなのでしょうか?
実際、全日制の高校から全日制の大学に進学する割合は54.4%、通信制高校から全日制の大学に進学する割合は23%、となっており、全日制の高校に比べて通信制高校からの大学進学率は低くなっています。

全日制の高等学校に比べて大学への進学率が低いのは事実ですが、大学進学において通信制高校出身ということ自体が不利に働くことはありません。
ただ、全日制の高校に比べて通信制高校は大学進学における学習面で苦労することがいくつかあります。

通信制高校では大学進学者がそもそも少ないため進学に対する高校のサポートが手厚いとは言い難いのが現状です。
また、周囲に同じく大学進学を目指す同級生などがいないためにモチベーションを維持することも大変です。
さらには、通信制高校ではレポートや試験などの単位取得が簡単な場合も多いため、学力が全日制高校に比べ低い学校が多く存在しています。
そして、人間関係や金銭的な問題から通信制高校を選択した人にとって、全日制の大学へ進学するのは精神的にも金銭的にも難しくなっています。

これらの要因から、通信制高校から大学への進学をあきらめる方も多いのが現状です。

学費から見る通信制大学という選択

通信制高校から全日制の大学に行く場合、学力試験を突破する必要があり、また入学金や授業料など卒業するまでに膨大なお金がかかります。
平均的な大学の4年間の授業料は、国立大学で200万円~250万円、私立大学で350万円~500万円程度と言われています。
通信制高校に比べて、掛かる学費は何倍にもなってしまいます。

増える奨学金利用率

現在、雇用情勢や大学の学費高騰などにより、奨学金を利用する学生も増えていて、2010年以降は奨学金利用率が大学在学者の50%を超えています。しかし奨学金は借金ですから、返済の義務があります。そのため、大学を卒業した時点で200万円~400万円近い借金を抱えて社会に出ることになってしまいます。このことは現在、社会問題となっており、奨学金の返済訴訟は8年間で約100倍、奨学金が原因の自己破産も増えています。

全日制の大学でどうしても学びたいことがあるのであれば、奨学金を利用してでも大学進学するのはアリかと思いますが、ただ大学卒業資格が欲しいだけなのであれば、全日制の大学にこだわって数百万円の借金を背負う必要もないのではないかというのが私の考えです。

通信制大学の学費

大卒資格は取得したいが、全日制の大学に通えるほどの学費が無い場合、通信制大学という選択肢があります。

通信制大学は、働きながら大学に通えるうえに、学費もかなり幅はありますが、4年間で数十万円~多くても200万円程度までとなっています。
通信制大学でも奨学金の利用は可能ですが、返済に必要な金額も全日制の大学に比べると数分の一で済みます。

また、全日制の大学と違って入学試験を設けていない大学がほとんどですから、入学するだけであれば比較的簡単に出来てしまいます。その分、通信制大学に入学してからの学習が必要になりますが、浪人生になってしまう心配や受験競争に巻き込まれることも無いので安心です。

さらには、通信制高校を既に卒業されている方は、通信教育のシステムに慣れているので通信制大学の学習システムにも抵抗は無いかと思います。

実際、多くの方が通信制高校から通信制の大学に進学しています。
学費や学力の面で大学進学を諦めている方はぜひ参考にしてみてくださいね。

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