売上ばかりを追いかける会社で働き続けることに疑問を持ち、「大学を卒業して会社員になったけど、やっぱり先生になりたい」と考えている方も多いのではないでしょうか。先生は、何もかもがお金で換算される時代に、貨幣経済から離れた稀有な職業かもしれません。
既に大学を卒業して就職もしている社会人が先生になるためには、教員免許を取得する必要があります。教員免許が無ければ小学校・中学校・高等学校の先生にはなれません。
ただし、毎日忙しく働いている社会人が全日制(通学制)の大学で授業を受け、教員免許を取得するのは無理があります。毎日朝早くから夜遅くまで働いている社会人が通学時間を確保するのは至難の業です。ですから、社会人が働きながら教員免許を取得するには、通信制大学に通うというのが一般的になっています。
ただ、意外と知られていないのが、通信制大学で教員免許を取得するまでの期間です。
最短2年で教員免許が取得可能
通信制大学で教員免許を取得する場合には、教員免許の取得に必要な単位をすべて取る必要があります。
大学を卒業していない場合には、教員免許の基礎資格になる大学卒業資格が無いので、最短でも4年間在籍して、卒業資格(学位)を取得する必要がありますが、通常の大学を卒業していれば最短2年間で教員免許の取得が可能です。すでに大学卒業資格を持っている場合には、通信制大学を卒業する必要はありません。必要な単位数は約70単位で、教育実習は必須となっています。
通常の大学に通っていた方であれば、以前取得した単位を引き継ぐことが可能です。ですから、教員免許を取得する場合には、不足している単位を補っていくことが必要になります。
教員免許取得に不足している単位は、それぞれの学生によって異なります。以前、何の科目の単位を取得したか、今後どの教科の教員免許を取得したいかによって、引き継げる単位数は違ってきます。また、入学する通信制大学によっても引き継げる単位は異なりますが、どの単位が不足しているかは、大学側に調べてもらうことが可能です。
最短2年間で教員免許を取得できる人は30%未満
先ほど書きましたが、編入した場合には制度上2年間で教員免許が取得可能です。しかし、実際に2年間で教員免許を取得出来る人は多くありません。なぜなら多くの方が会社員として働きながら単位取得を目指すため、なかなか勉強が進まずに単位の取得までに4~5年かかったというのも当たり前になっています。
通信制大学を4年間かけて普通に卒業することに比べれば、編入して教員免許を取得する場合は2年間ですので、半分の期間で済むのですが、それでも2年間毎日コツコツ勉強し続けるのはなかなか大変です。今回は、実際に最短2年で通信制大学で教員免許を取得できた方に聞いた5つの方法を紹介したいと思います。
実際に最短2年で教員免許を取得した5つの方法
1、勉強する時間を確保する
社会人が一番苦労するのが時間の捻出です。毎日夜遅くまで仕事がある方にとって、帰宅してから勉強するのは結構辛い。どうしても、だらだらしたり寝てしまったり。ですから、勉強時間を確保する場合には朝がおススメです。朝活というのが流行りましたが、朝であれば、仕事の疲れも無いので頭もよく働きます。朝一勉強してから会社へ出勤します。
2、勉強する場所を決める
通信教育で問題なのは、勉強する場所が無いことです。結婚されている方であれば、子どもや奥さんがいて、落ち着いて勉強できる場所の確保が難しいと思います。また、独身の方であっても、自宅に居るとついついテレビを見てしまったりすることもあると思います。図書館やスターバックスなど、自宅以外で「ここに行ったら勉強する!」という場所を作るとサボらず続けられます。
3、インターネットを見ない
インターネットは驚くほど時間を取られます。テキストを読んでいて分からない箇所があったりするとインターネットを使って調べたくなりますが、調べ物をする際には辞書を使いましょう。分からない箇所を探しているつもりが、ふと気づくとfacebookなんかを見ていることもありがちです。私の場合は電子辞書を使用して、極力パソコンを使用しないで学習していました。
4、同じ目標を持つ仲間を作る
これは前回の「四年間で確実に卒業する方法」にも書きましたが、通信教育の最大の課題は、モチベーションの維持です。単位自体の取得はそれほど難しくありません。ただそれを毎日続けるのは、本当に大変です。ですから、モチベーションを維持するために、同じ通信制大学に通い、教員免許を取得する目標を持つ仲間を作りましょう。スクーリングは同じ通信制大学に通う仲間に会う貴重な機会です。積極的にコミュニケーションを取ってみてください。
5、スクーリングを利用する
勉強する時間と場所を確保しても、一人で学習し続けるのは大変です。同じ単位であってもスクーリングを選べる場合は、スクーリングの方が単位取得は簡単です。多少の追加費用が掛かっても、スクーリングで履修することで確実に単位が取得できます。
肝心なのは習慣付けとモチベーションの維持
通信教育で教員免許を最短で取得するには、勉強することを習慣づけることが大切です。「毎日朝6時から7時は確実に勉強する」というように習慣づけて、同じ目標を持つ仲間と連絡を取り合いながらモチベーションを維持することを心がけましょう。
通信制大学で最短の2年間で教員免許を取得することは簡単ではありませんが、これらを意識して習慣付けられれば2年後には先生として教壇に立つことができます。先生になるという目標を見失わずに頑張っていきたいですね。